アレンバーグ種目

アレンバーグ種目

スピニング正確度種目には、ベイトリールと同じ黄色いターゲットを使う正確度種目の他に、アレンバーグ種目というもうひとつ別の種類の正確度種目があります。それぞれの投てき位置からの投げ方が決められている種目です。同心円のターゲットを使い、的に向かって反時計回りに、10m、12m、18m、14m、16mの距離から、下記のようなスタイルで投てきします。得点は同心円の中心の黒いターゲットに当たると10点、円が1つずつ大きくなる毎に8点、6点、4点、2点が加算されます。それぞれの場所から2投して、合計10投100点を競います。

No.1 アンダーハンド振り子投げ 10m

キャスティングの基本中の基本です。目の前でプラグを振って、遠心力とロッドの反発力で投げます。10mの距離なので、話すタイミングとブレーキコントロールができていれば、当たる確率はかなり高いです。2015年のルール改正時に、プラグのたらしの長さの制限はなくなりました。

No.2 右側からのサイドキャスト 12m

右利きの選手であれば、ゴルフのパターを撃つときと同じようなスタイルになるでしょうか。サイドキャストとはなっていますが、ロッドティップがティップとグリップを結んだ水平線よりも上になっていけないとルールで定められているので、オーバーヘッドキャストの手首を倒した投げ方では、難しいでしょう。となるとパタースタイルの投げ方になってきます。コツもおそらくはパターと同じで、ロッドティップの軌跡が真っ直ぐになるように動かす、ということです。手首を捻ってしまうと左右にブレることにも繋がるので、なるべく肘から先は固定してロッドを動かすことを心がけて下さい。注意点は、投げるときにプラグが自分の体から1m以上離れたところを通過させなければならない、ということがあります。

No.3 オーバーヘッドキャスト 18m

4種と同じオーバーヘッドキャストです。

No.4 左側からのサイドキャスト 14m

右利きの選手にはこの投げ方が一番むずかしいでしょう。テニスでいうところのバックハンドです。弧を描く投げ方もありますが、多くの選手はこの写真のように肘を上げていつもの手首の動作ができるように投げています。この写真はクロアチアのマルコとゴランの練習時のものです。ジュニアの頃からマルコ(水色のジャージ)もゴラン(紺のジャージ)もこの種目を得意としています。最近はここにブルーノが加わったというか、マルコを差し置いてゴランとブルーノが突っ走っています。早巻きの改造をしていないノーマルのリールを使って、誰よりも早い時間で撃ち抜くことができる2人です。その基礎を作ったのが、マルコですし、クロアチアのキャスティング連盟のサポート体制です。
この場合も右側からのサイドキャストと同じで、ロッドティップを下げておかねばなりませんし、プラグを体から1m以上離して投げなければなりません。ロッドの長さ分程度の軌道修正はできなくもないですが、外すリスクは大きくなります。右側からのサイドキャストと同じで、ロッドティップを水平線よりも上には上げてはいけないルールになっています。

No.5 自由な投げ方(ほぼオーバーヘッド) 16m

16mからはどんな投げ方をしてもいい、ということになっていますが、ほぼ全員がオーバーヘッドキャストで投げます。かつて4種の正確度種目で全ての投げ方をアンダーハンド振り子投げで投げていた選手がいましたが、彼が現役であれば今でもアンダーハンドで投げているかもしれませんが。

左右からのサイドキャストが組み込まれた投げ方を要求されるこの種目です。道具を使いこなすことが求められる種目ですので、実釣に最も役立つ種目のひとつと言えるでしょう。ロッドをまっすぐ振ること、プラグの軌跡をまっすぐにすること、ブレーキコントロールとリリースのタイミングを体得しないことには、高得点は見込めません。この種目を写真と文章だけで説明するのは、かなり無理があるので、YouTubeを検索して、動画でもご確認ください。近日中に動画特集の記事も作成しようと思います。