フライキャスティング種目 Trout Distance

フライキャスティング種目 Trout Distance

JCSFルールは世界標準のルールです。いつも決まって2年毎の偶数年に開催されているフライキャスティング世界選手権で採用しているルールと同じルールを、JCSFでは当初から採用しています。4月に開催される「フライキャスティングフェスティバル」に向けて、ここからはフライキャスティング種目のルールについて解説していきます。まずはトラウトディスタンスから行きましょう!

Trout Distance

同じ道具を使って競うことこそ、世界標準たる所以。ICSF種目では、T38という競技専用ラインが使われていますが、この種目トラウトディスタンスでは、サイエンティフィックアングラーズのマスタリーシリーズ・エキスパートディスタンス#5・コンペティション(以下、EXD#5)を使うこととされています。(こちらからTiemco商品紹介ページに遷移します

フライラインの番手は書いてないからわからない?

このラインが選ばれた理由には、ラインの全長が120fと長いことに加えて、ラインそのものにラインの番手が明記されていること、があげられます。ラインの長さも製造の際の誤差を勘案しつつ、きっちりと測っています。

2014年大会でタックルコントロール(道具の検査)を行っている部屋の様子の写真がこちらです。

普段釣りに使っている道具を使って気軽に始められる種目としてルールが定められたとは言え、きちんとしたルールに則るには、専用のラインを決めればいいというのは非常に合理的な考え方です。完成品のロッドに書かれている番手というのは、あくまでも主観的なものであって、統一されているわけではない。ましてや切った張ったで改造できるフライラインの特性を考えると、重さで統一するしかなくなる。重さで統一するのは別の種目にまかせて、一番軽い番手の種目では、ラインを指定しよう、ということになるのは、当然のことでしょう。

使うロッドは各自好みで

使えるラインは「EXD#5」と指定されていますが、ロッドも同じ「#5」でなければならない、というルールではありません。前述のように、ロッドの硬さは主観的なものであり、乗せるラインの重さも好みでかわりますし、シュート時の長さでも変わってきます。30f(約9m)分の長さの重量を基準、それぞれのロッドの硬さは設定されていることから、それよりも長いベリーのEXD#5の場合は、5番指定のロッドでは柔らかすぎるのです。最低でも8番くらいの強さは欲しいところです。日本の大会でも、10番指定のロッドを使っている選手をよく見かけます。9fで10番のロッドも、探してみると結構あったりするものなのです。
知っている限りで一番柔らかいロッドを使っているのは、UKのPaul Arden。6番のロッドをバットからきれいに曲げて、一番”セクシーなループ”で投げていたことが印象に残っています。彼が使っているのが、このロッドです。COMP5としていますが、ブランクは6番のもの、と書かれています。

あえて距離種目を最初にご紹介

この種目の一番の特徴は、EXD#5のラインを入手するだけで競技に参加できる、ということにつきます。そしてロングベリーのラインを投げるという練習は、通常のラインを投げるのが「これほど楽になるのか!」という経験に繋げることができるので、実釣にも直結した練習ができるのです。同じラインで「トラウトアキュラシー」種目にも参加できます(もちろん、リーダーは変えないと辛いかもしれませんが)。正確度種目はルールや手順を覚えなければならないこともあるので、まずはトラウトディスタンスをご紹介させていただきました。

2016年フライキャスティング世界選手権

毎回2年毎に開催されているフライキャスティング世界選手権も、回を重ねる毎に参加する選手たちのレベルが上ってきています。YouTubeにも数多くの大会の動画がUPされていますが、最新の2016年大会のトラウトディスタンス種目決勝戦の動画をご紹介させていただきます。優勝したのは、映像では3:06頃から投げ始めるエストニアのDmitri。37.5mとぶっちぎっています。

優勝記録の37.5mが、どれくらいの距離なのか、一度お持ちの道具を使って挑戦してみてはいかがでしょうか? 30ヤードではなく、30メートルというのも、なかなか遠かったりするものです。2016年大会の記録表は、こちらからご参照下さい

それ以前の記録表は、こちらからご参照ください