メジャリングの考察2017その5
Thomasが使っていたロッドのバットガイドは、リールのガイドから100cmのところに付いています。そしてドライラウンドではNo5の長さ以上のラインを出さないようなメジャリングでラインの長さをコントロールしています。これを前提にウエットラウンドのメジャリングを解説します。
Tメジャー・ウエットラウンド編
ドライラウンドでNo5を投げた後、Thomasは左手でバットガイドのところにあるラインを取ります。そのラインを右手の中指に引っ掛けて左に90度の角度でラインがピンと張るまで伸ばします。するとリールからのラインと指からのラインとで合計200cmのラインを測ったことになります。それを後3回繰り返すと、きっちり500cm、ラインを短くすることができます。これでNo1への準備ができました。右手でラインを押さえたまま、No1に打ち込みます。No1を狙うバックキャストをするのと同時にNo2のメジャリングをします。フォルスキャストで何回もロッドを振れるドライラウンドとは違い、バックキャストは1回しかできません。メジャリングのために右手の動きを犠牲にするわけにはいきません。各ターゲット毎に、メジャリングの長さをいくつも用意する…なんてことはありません。具体的に覚えるべきメジャーは1つ。120cmだけなのです。
No2を狙うときは、すでに持っている100cmを活用します。ターゲット間の長さは97cmなのでそのまま撃ちます。No3はバックキャスト時の左手の位置を工夫して長さを調整します。右手の位置は犠牲にできません。No3の120cmは左手を真下におろした辺りでした。No4は残りのラインの中央部分を取りつつ、右手にラインを持ち替える時に10cm短くするのです。No5はラインを放してそのまま撃ち込みます。後はその繰り返しです。
進化するメジャリング
ウエットラウンドのメジャリングは様々です。バックキャストの時に測ったラインをフォワードキャストのときにそのまま送り込むのはスウェーデンスタイル。手元で測ったラインをバックキャストの前にロッドティップから出してしまうポーランドスタイル。それぞれが独自に工夫をこらしています。今の自分のスタイルも、まだまだ完璧とはいい難いものがありますが、最後にご紹介させていただきます。
自分なりにカスタマイズしてみた
ドライラウンドはThomasのものとほぼ同じです。No1を撃つ時だけ、体を後ろにそらさずロッドの角度を調節して当てています。オーバーターンさせて当てているので、フォルスキャストとシュートの見分けがつきにくいのですが、オーバーターンしている分フライは強くターゲットに当たります。
ウエットラウンドのメジャーは、もっと簡素化しています。ドライラウンドのNo5を撃ち終えた後、左手の薬指にラインを引っ掛けてヒトヒロはかります。両手をいっぱいに伸ばして引ける長さはロッドエンドから125cm。ラインを押さえている右手の中指からロッドエンドまでは30cmあるので、合計すると30cm+125cm+125cm=280cm。この1回でNo3までの長さが調節できたことになります。その薬指のラインを保持したまま、左手の人差し指にラインを引っ掛けて矢引き。ここで110cm。ここも折り返して持っているので220cmと、全部で500cm分、短くできたことになります。ただし、ここには誤差があることも忘れてはいけません。このままではNo2とNo4が長めになります。そのことを頭に入れて、自分の場合は手の位置を変えて調節するように投げています。手数を減らすこと、No5以上のラインを出さないことで、誤差を減らしつつ万が一のときの基準も作りつつ、失敗を減らすことを考えています。
5回に渡るフライ正確度種目を通じて、この種目への興味が湧いて頂けたら幸いです。今週末には成田でフライ種目だけの大会も予定されています。見学だけでも大歓迎ですし、ちょっとやってみたい、というご希望にもお応えできるかと思います。ご都合がつくようでしたら、遊びに来て下さい。ICSFのFacebookグループでも大会の告知にリンクが貼られています。