JCSF & ICSF 種目

JCSF & ICSF 種目

JCSFキャスティングルール

JCSFが採用しているルールは、ICSF国際ルールに準拠したICSFが定めるルールを採用しています。ここでは陸上で行うクラシカルなキャスティング競技について、簡単にご紹介させていただきます。キャスティングスポーツは大きく分けると、フライフィッシングの道具を使ったフライ種目と、ルアーフィッシングの道具を使ったプラグ種目の2つに分類できます。そしてそれぞれの種目で、近くを狙う正確度種目とより遠くへ飛ばすことを目的とした遠投種目があります。プラグ種目では、使うリールの種類によって種目が変わってきます。

ルールブックは、こちらからDLできます

第1種フライ正確度ev1-1

より正確に投げるために…

見た目とは裏腹に、簡単に当たりそうで当たらないのがこの種目の特徴。先端についた軽いフライの代わりに重いラインを操ってターゲットを狙う。フォルスキャストをいれるドライラウンド、フォルスキャストをしないウェットラウンドで合計20投、渓流で使うような軽い番手のロッドではない、さながらマスコットバットのような重くて太いロッドを振り回すには、それなりの体力も必要だ。しかし、これに慣れてしまえば釣りで使う道具は、どんなロッドでも軽いと思えるようになるだろう。文字通り、実釣に備えた「マスコットロッド」を使っているような種目といえよう。

第2種フライ正確度ev1-1

片手でより遠くに飛ばすために

15mで38gと重いフライラインを片手投げでシュートすることは、実釣ではありえない。しかし、その技を極めた者は50mという飛距離は、それほど高くない壁に思えてくるものだ。扱いにくさは車で言うレーシングカーと同じ。乗りこなせる者だけが感じられる異次元の世界がここにある。

第3種スピニング正確度アレンバーグev3-2

陸っぱりからの釣りに役に立つ

5つの投てき位置から異なる投げ方で的を狙う。オーバーヘッドだけでなく、左右のサイドキャストもルールで決められている。基本はもちろんオーバーヘッドキャスト。その上の技術が求められている種目でもある。その分、他の種目よりも大きなターゲットを使うため、初心者でも気軽にはじめられる種目でもある。

第4種スピニング正確度ev4-3

キャスティングの基本中の基本

ルアーフィッシングの基本は、正確なオーバーヘッドキャスト。そしてそれは、単に投げるだけではなく、狙った場所に落とすためのブレーキコントロールも必要になる。この種目はまさに、そういう釣りのための練習には丁度いい。そして基本を覚えられる意味からすると、子どもたちが最初に取り組む種目として最適だ。事実、欧州のキャスティングクラブに属する彼らが最初に始めるのは、前述のアレンバーグ種目と、この種目なのだ。

第5種スピニング片手投げ距離ev5-1

力任せで飛ぶということではない

アキュラシー種目は、どうしても最初は当たらない。練習しても上級者のように思ったように的に当たらない。そうすると、どうしても鬱憤が溜まってきてしまう。「やってられない!」とロッドを投げ捨てる前に、結んだプラグを思い切り飛ばしてみよう。距離種目の醍醐味は、自分の可能性に挑戦できることだろう。しかし、そこにも単にパワー勝負とならないのが、キャスティングスポーツの奥深さだ。コートからはずれることもあれば、ラインが切れることもある。やはりここでも、正確さの壁は存在する。その困難を克服することが、このスポーツの楽しさでもある。

第6種フライ両手投げ距離ev6-1

超重量級フライキャスティング

「18フィート・ヘビー級」といえるロッドで120gのラインを飛ばす、文字通り体力勝負の種目である。多くの選手がウエストベルトを着用し、腰への負担を軽減させているのも特徴だ。ミス・キャストしたラインが体に当たると、ウィンドブレーカーは切れることもあれば、皮膚にミミズ腫れができることも少なくはない。しかしロッド経由で全体重の荷重がのったパワーが伝わったラインが空中を空高く舞い上がる姿は、正にレーザービーム。それを再現するために、誰もが練習に余念がない。

第7種スピニング両手投げ距離ev7-4

サーフキャスティングのようでいて…

「日本のお家芸」とも言えるサーフキャスティング・カテゴリー。数多くの専用の道具が開発・販売されている日本市場から、この種目用にも流用されているロッドやリールは少なくない。しかし18gというサーフにすれば超ライトウエイトなプラグは、同じ投げ方で飛ばすのは至難の業ともいえる。日本では大口径ガイドが復活の兆しを見せつつあるが、ここでは昔から大口径ガイドが使われて続けているのである。

第8種マルチプライヤー正確度ev8-1

トップウォーターの釣りそのもの

日本でも人気のブラックバスフィッシング。中でもトップウォータープラグを使った釣りの人気は衰えることはない。その道具をそのまま使って始められるのが、この種目だ。狙ったポイントに正確にプラグを落とすことこそ、共通の目的として存在する。「バスフィッシング」という同じ釣り方をベースに持つ、アメリカと日本が強かったこの種目も、近年は欧州勢が飛躍的にレベルアップしてきた。短めのロッドに左巻きリールがそのトレンドだ。かたや日米の選手は旧来のダイレクトドライブリールやグラスロッドを頑なに使い続けている。どちらが優れているのか、は、使いこなす選手の技量によるだろう。いろいろな楽しみ方ができる種目なのである。

第9種目マルチプライヤー両手投げ距離ev9-1

ABU2100SPORTの時代が終わり

1970年代に作られた、この種目専用のリールがABU2100SPORT。レベルワインダーを持たない競技用に作られたこのリールは、その遠投性能を引き出すためにはじめて「遠心力ブレーキ」が搭載された。この発明が、この後に続くリールのあり方を変えたのである。できるだけ遠くに飛ばしたいという気持ちと、積み重ねた経験がモノを言うのがこの種目の特徴だ。歴史あるリールは、その大役を今の時代のリールにバトンを繋いだものの、若手選手の台頭を阻むベテラン選手が数多く存在するのも、この種目の特徴だ。単にパワーでは勝てない、いぶし銀の技も必要だと教えてくれる種目である。