Casting Tips vol.2 第4種スピニング正確度種目

Casting Tips vol.2 第4種スピニング正確度種目

キャスティングスポーツの魅力をいろいろな角度からご紹介するコーナー、『Casting Tips』。第2号では、スピニング正確度種目、を取り上げます。
ヨーロッパでは、「初めてのキャスティングスポーツ」が、この種目となっています。Webで検索すると小学生と思しき子どもたちが、なれない手つきで一生懸命プラグをコントロールしようとしている姿が見受けられます。この種目は7.5g(約1/4オンス)のプラグを10mから18mまで2m間隔でおかれた黄色い直径76cmの的に順に20投し、ヒット毎に5点、合計100点を競います。
より正確に投げるため、竿先からプラグまでの長さが、通常の釣りで行うキャスティングの時のたらしの長さをはるかにこえて、リールまであるいやロッドの全長と同じくらいまで伸ばした状態で投げる選手が主流を占めていたりします。ここにもキャスティングスポーツの「進化系」としての変化が見受けられるのです。
変化はたらしの長さ、だけに留まりません。世界選手権では、決勝に残る8名はほぼ全員が100点を出してきます。となるとメダルの色は、その投擲時間で競われることになります。正確に投げるためには、プラグが飛んでいる時間を短くすることはリスクにつながってしまう。ならば巻取りの時間を短縮しよう、とばかりに、外付けのギアボックスがついた、こちらも14:1程度の早巻きリールを使う選手が多く見受けられるのです。そういうリールを使っている選手が巻き取っているプラグは、7.5gと軽いこともあってか、文字通り飛ぶように戻ってくるのです。
そんな中、改造リールを使わずに、他の度の国の選手たちよりも正確に早く投げ終えることに長けた選手をかかえるチームがあります。『クロアチア』です。外付けギアボックスをつけて、コストも重量も掛かってしまうことを嫌った彼らは考えました。どうすれば早く投げ終えるか。そして見出したのが、ダブルハンドルの『慣性』を使ったスピード巻き、です。投げ終わった後に高速で巻き上げ始め、プラグに戻ってくる勢いがついた所で、勢い良くハンドルをスピンさせるのです。ローターとハンドルが回る慣性で、改造リールと同じくらいのスピードでプラグは戻ってくるのです。彼らが使うのはシマノの海外モデルのスピニングリールでサイズは1000番。その精度があってこその技でもあるといえましょう。
そんなハイレベルの話の前に、まずは100点を目指すこと。いや、50点を目指すこと、ここから全てがスタートします。76cmという的の大きさは、近くで見ると「なんて大きいんだ」と思えるかもしれませんが、たとえ最短の10m離れて投げた時に、その思いは「なんで当たらないんだ」に変わるに違いありません。しかし、自分が投げたプラグがターゲットに当たって「コーン!」と響いた時に、それまでの鬱憤が間違いなく感動に変わるのです。
JCSFでは2014年度には、日本の各地でだれでも参加できる楽しい大会を開催する計画を立てています。お近くで開催される大会には、どうぞお気軽にご参加下さい。悔しさから生まれる鬱憤と、当たった時の感動の瞬間を、是非みなさんと共有させていただきたいとかんがえております。ev4-2

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