種目別紹介(プラグ正確度種目)

種目別紹介(プラグ正確度種目)

キャスティングスポーツについて、各種目ごとに詳しく知りたい、という声をいただきました。ここでは正確度種目の基本となる「4種スピニング正確度種目」と「8種マルチプライヤー正確度種目」について、説明させていただきます。


プラグ正確度種目では、直径76cmの黄色い丸い円盤のターゲットに向かって、スピニングタックル、ベイトタックルを使ってプラグを当てて、その投てきの正確さを競います。距離はスピニングリールを使う4種では、10m、12m、14m、16m、18mの5つの投てき位置で近い順から投げていきます。ベイトリールを使う8種では、それより2mずつ遠い、12m、14m、16m、18m、20mの距離から投げます。それぞれの距離から2回ずつ1ラウンド10投、それを2ラウンド行うので、合計20投、1つ当たると5点加点されて、最高得点は100点です。使うプラグは、4種では7.5g、8種では18gを使うのがルールです。そして投げるときは、片手投げです。ベイトロッドなどでは片手投げには少し長めのグリップのものも多くありますが、スプールをおさえる手と反対側の手をロッドエンド等に添えて投げてはいけません。

投げ方

正確に投げるには、オーバーヘッドキャストが王道です。ロッドを真っ直ぐに振れば、真っ直ぐに飛んでいくので、後は距離のコントロールができれば、的には当たる確率をあげられます。

正確に投げる基本は3つ。

1)ロッドを真っ直ぐに振ること
2)ラインを放すタイミング
3)ブレーキコントロール
この3つは、必ずしも正確に投げるためだけに必要なテクニックではありません。同じことは遠くに投げるディスタンス種目でも同じ、つまり基本は一緒なのです。ロッドを上手く使ってプラグを弾く理屈は、同じなのです。

ロッドを真っ直ぐに振ること

真っ直ぐに振るには「手首・腕の動きはコンパクトにする」が基本です。ダーツを思い出して下さい。小さい的を狙う時に野球のボールを投げるような動きはしていませんね。ロッドを振る動作として必要最低限の動きをするだけに留めることを心がけます。手首・肘・肩という関節の動きも、なるべく抑えるようにします。肩と肘の関節でテイクバックのタイミングをとり、振り上げたロッドを押さえ込むような動作でロッドの曲がりに蓄えられる反発力を手首でコントロールして、プラグを弾くのです。

ラインを放すタイミング

ラインを放すタイミングについては、これは体で覚えるしかありません。ブレーキを掛けずに手前に落ちてしまうようであれば、放すタイミングは遅すぎますし、逆に早ければ遠くまで飛んでしまうか、高く上がりすぎて手前に落ちたり、後ろに飛ぶミスキャストにもなります。放すタイミングを伝えるのは難しいですが、やり方のアドバイスは可能です。
スピニングリールを使う場合は、普通に釣りでやるように、人差し指にラインを引っ掛ける、のではなく、ブレーキをかけるのと同じように人差し指をスプールエッジに置いてラインを止めている状態で投げる、のです。リリースのタイミングにだけ、少しだけ放してラインを放出します。

ブレーキコントロール

ブレーキの掛け方は、とにかくソフトタッチです。車のブレーキと同じで、急ブレーキはプラグを引き戻してしまうことになり、当たる的にも当たらなくなります。そのようにして当てるテクニックもあるのですが、それは別の機会に。基本のブレーキは、スピニングリールの場合は、人差し指をずっと伸ばした状態でスプールエッジに触れ続け、飛んでいる間もずっとラインに触れているようなブレーキを掛けられるようになるところまで行けたら、こっちのものです。後は繰り返し練習するだけです。
ベイトリールの場合は、スプールを押さえる位置で調整します。スプールのラインの面だけをおさえていませんか?水の上で競技をすることが多い、ACAのエキスパートでもあるSteve Rajeffのレクチャーでは、押さえる部分はスプールエッジとラインを半分ずつくらい、としています。唯一の難点としては、振れ続けているスプールエッジの色が禿げてしまうこと、です。練習の賜物として甘んじるしかありません。また、ベイトリールの場合は、ハンドルの向きが話題になることがあります。右利きの人が右巻きのリールを右手で投げる場合、リールのハンドルが必ず上に向ける必要はありません。前述のSteve Rajeffは、45度くらい傾ける、と話していますし、軽いリールを使う場合はどのような角度でも問題はありません。要は自分が投げやすい角度で持つことです。