Casting Tips Vol.6 プラグ両手投げ距離競技(スピニング・マルチプライヤー)

Casting Tips Vol.6 プラグ両手投げ距離競技(スピニング・マルチプライヤー)

キャスティングスポーツの魅力をいろいろな角度からご紹介するコーナー、『Casting Tips』。第6号では、世界的に見てもレベルの高い選手が日本にも沢山いる種目、プラグ両手投げ距離競技を2種目まとめてとりあげます。

18gのプラグをどれだけ遠くに飛ばすことができるかを競う種目ということで、サーフキャスティングをすでに始めていた方がこの種目にエントリーすることが、日本では多く見受けられます。日本ではもともと、サーフキャスティングカテゴリーの大会が昔から開催されていました。JCSFが発足する以前、1970年台に初めてICF(当時の名称)の世界選手権に最初に出場した選手がエントリーしたのも、サーフキャスティングカテゴリーの種目でした。当時はICFでもサーフキャスティングも開催種目に入っていたのです。そして、その出場をきっかけにして日本でも現在のルアー・フライキャスティングをベースにした「キャスティング競技」が行われるようになったのです。

日本が誇る釣具の大手企業、DaiwaとShimanoからも、特にスピニングリールは『サーフキャスティング』に特化したリールが数多く設計・販売されており、多くの海外の選手たちにも愛用されています。またマルチプライヤーリールの分野でも、かつてはABUの競技用リール(2100SPORT)の独壇場だったものが、S1600、SX1600などと小型のリールのスプールを軽量化したモデルが2000年台に登場したところで時代が1つかわり、また2010年頃を境にして、ShimanoのリールやABU2500の日本製チューニングスプールがトップクラスの選手の主流となってきました。このように日本の技術は、キャスティングテクニックだけにとどまらず、タックル面においても、現在のキャスティングスポーツを影でささえているのです。

ev7-1ただ、ロッドとガイドについては、日本の主流とは少し異なる考え方が、未だに残っているのです。
ロッドは、日本では、硬めのロッドで瞬間的にヒットさせてロッドを曲げて、その勢いで飛ばす、というノウハウが主流となっていますが、世界選手権のトップクラスの選手たちは、それほど硬くないロッドを上手く曲げて、弾き飛ばす、というような、投げ方が主流となっているのです。というのも、海外、特に欧州には、日本のサーフキャスティング用のロッドが、手に入りにくかった、という背景にもとづいているから、と考えられます。欧州でもサーフキャスティングは盛んに行われています。しかし、そこで使われているオモリの重量は、150gクラスのヘビー級。さすがにそのタックルで18gのプラグは軽すぎます。しかし、日本には釣り用のロッドも含めて、18gに適したロッドが比較的簡単に手に入る環境が整っています。となると、道具の面からも日本選手の優位性は高くなります。
ロッドだけではありません。ガイドの大きさは、日本とは比較にならないくらい巨大なワイヤーガイドが、未だに使われているというのも事実です。日本の「小径背高」と呼ばれるハイスピンダーシリーズに代表されるようなガイドを使っていると、欧州の選手たちは不思議そうに眺めていました。素材だけでなくガイドの位置に対する考え方も全く異なります。10cmを超える直径のガイドが、リールの「すぐ上」と言っても過言ではないくらいのところ(スプールから70cm程度のところ)に付けられていたりするのです。普段、日本の投釣り用の竿を見慣れてしまっていると、非常に奇妙なバランスに思えるのですが、反面彼らからすると、我々の道具をみて、おかしなことをしている、と思っていることでしょう。

不思議がっているだけでは仕方ありません。実際にやってみて何故なのか、ということを検証したことがあります。そのときにわかったことは、欧州の選手たちのロッドはかなり柔らかいため、ロッド全体が曲がってしまう。そのために、手元に近いブランクにラインが接触しないように、ガイドを付ける必要があった、のだろうということがわかりました。しかしこれは見れば分かることですその事実を確認してみただけ、に過ぎません。そして、実際に投げてみてわかったことは、大口径ガイドを使うと、ロッドに力を載せにくくなる(自分の力をロッドに伝達しにくい)ということがわかりました。つまり、比較的柔らかいロッドを、ある程度「硬い」と感じながら使うことができるのです。逆に大口径ガイドを日本のパリパリに硬いロッドにつけて、同じようにプラグを飛ばそうとすると、ガイドの中でラインが横に滑ってしまうため、力をロッドに伝達しにくくなり、ロッドを曲げることができなくなってスッポ抜ける、という事象が多発してしまうのです。

大口径ガイドがいいのか、Sicがいいのか、については、各国の選手たちといつも議論を繰り返します。そのような話を1994年から20年経った今でも繰り返していますが、検証はできていません。ただ分かることは、あるものを使えばいい、ということかと。そしてそれが原因で(大口径か小口径か)で、大きな違いがでるかというと、それほど大きく変わることもないのです。Sicならイチバン手前のガイドは、30mmもあれば十分だと思うのですが、いかがでしょうか?

ev9-1前述の通り、これらの種目は、テクニック面でも、道具面でも、日本は他の国よりも進んでいる部分が多くあります。足りないのは、大会出場の経験だけです。毎週のように大会を開催している国々の選手と対等に戦うには、我々もなるべく多くの大会に出場する経験を積んで、ここ一番、の本番の時の3投にどれだけ集中できるか、ということになります。日本でも18gのラバープラグを使った大会も開催されていますが、JCSFでも同様に、所属するクラブ主催の大会を2014年度には数多く開催したいと考えております。キャスティングというスポーツが大好きで、自分の技を競いあいたい、楽しく投げ合いたい、とお考えの皆さんに、笑顔でご参加いただける大会を、日本全国で開催していきたいと考えております。

数多くの皆さまからのご参加、ご登録、お待ち申し上げております。